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経済とは、「暮らし」のことです。必修科目〜お金の常識

                         -ファイナンシャルプランナー 鯵坂 亮のコラム-


Vol,9 ★年金知識はライフプランの基本の基
 
誰のものかが分からない年金が5千万件以上もあることが判明し、その後、沢山の入力ミスや誤登録などの
実態が次々と明らかになり、国民の不安をいっそう掻き立てています。
社会保険庁はこれまでにない激しい批判に晒されていますが、このお役所としては初の体験に戸惑うばかり
なのではないでしょうか。
仕事が杓子定規だとか時間が来ると冷酷に対応を打ち切ってしまうとか「お役所仕事」についての批判は
これまでもあったでしょうが「社保庁は振り込め詐欺も同然」とまで言われるに至っては、
さすがに堪えているかも知れませんね。(そうでもないかな?)

しかし、そもそもこのような複雑怪奇な問題だらけの年金制度を何十年にもわたって放置し続け、或いは
つぎはぎ制度改正によって益々分からなくして来た旧厚生省、臭いものにフタをし続けて抜本改革を先送り
し続けてきた歴代の政府が本当は悪いのだ、と言いたい本音を胸に秘めている職員も少なくないのではと
想像しますが、今の世間の空気では絶対にその本音は口には出せないでしょうね。

私が7年ほど前まで挑戦して惜敗(?)した社会保険労務士受験の世界では「年金を制する者が
社労士試験を制する」と言われていました。
基本的に引っ掛け問題ばかりと言われる難関試験の各科目の中で最も引っ掛けやすいのが年金分野
ではないでしょうか。
現役の社会保険労務士などが実務研修に通う「年金教室」を長年主宰している「年金博士」服部営造氏は
「一人前に年金相談ができるようになるのに最低5年はかかる」と言っています。
日本の年金制度はどんなに経験豊富なこの道のプロから見ても、複雑怪奇で難攻不落の
悪魔の要塞のごとき存在なのです。

私が保険営業に関わって以来永年違和感を感じてきたことのひとつに「国の制度の批判はご法度」という
業界ルールがあります。
公的年金や健康保険などについて将来の不安を掻き立てて自社商品の販売に結び付けてはいけない
という訳なのです。
本来、生命保険や年金商品など民間の金融商品は、国の制度や職場の福利厚生制度などを充分に
把握した上でその不足部分を補い、互いに補完しあうような位置づけでライフプランに組み入れるべき
ものです。しかし、国の制度の批判はご法度というのが業界ルールとなっている現状なのですから、
お上に監督されて営業している立場の保険営業は、恐れ多くて批判的表現は出来ず、表立っては
触れにくくなります。

国民の多くは実態を理解していないので従って何も文句を言うものはおらず、比較的制度に理解のある
金融業界においては批判的言動を封殺し、実は取り仕切っている本人たちですら、
あまりの複雑怪奇さゆえに本当に理解しているものがあまり存在しない、かつ、年金資金は時折々に
国の政策的裏金として活用されていたらしい・・・・というように年金は「わけのわからないメッチャクチャな」
世界であったらしいのです。
歴代の厚生大臣の責任とかなんとか言うレベルの話ではなさそうです。
忘却が特技の日本人ですが、夏の参院選までにこの大問題をあっさりと忘れてしまう人も
やはりいるんでしょうか? 

色々な意味で【ライフプランニングは年金を知るところから始まる】と言えそうです。

 

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